名も無き君へ捧ぐ

「ユーレイも、むせるんだね…大丈夫?」


「あのですね、何度も言いますけど守護霊はお守りする任務なんです。占い師とか預言者と一緒にしないでください」

「えーー、未来分かってるんでしょ。それくらい教えてくれたっていいじゃん!ケチ」


声がする方に向かって睨みつける。


「それ知ったとこでどうするんですか?仮にも独身だったとして、ショック受けてまた良からぬことを考えたりしませんか」

「....う、」


ギクリとして言葉に詰まった。


「未来はお教えできませんが、これだけは言っておきます。いや、言わせてください」


彼はふわっと姿を現し、ベッドの上であらたまって私に向かい合わせに正座になる。

起き上がりつられて私も正座をした。




「運命は自分で切り開くものです。他人任せにしないで、自分の心に正直に生きてください。そうすればこちらとしても、安心してお守りできます。危ないことがあれば、こちらが必ず軌道修正しますから。如何なる手を使ってでも」

「...はい。って、最後何?如何なる手って、ヤバいんじゃないの?」

「それくらいの覚悟をもって守護霊してるって意味です!分かってくださいよ」



冗談なのか本気なのかイマイチ分からないが、背中を押されたようでどこか嬉しかった。