何で....
「何で消えてくれないのー」
にたりと顔を覗かせる。
全てお見通しと言うキラキラした眼差しだ。
「見えるようになったのも、ちゃんと意味があるんすけどね」
「これ以上待っても時間の無駄なので、特別にご説明します。僕も仕事増やしたくないので」
帰宅するなり待ち構えたように自ら椅子に座り、こっちを招く。
あなたの部屋じゃないのですが...。
「主様が1度、本気で死のうと思うと、緊急事態が発令することになっているんです。
守護霊として最大レベルの守護をしなければならないので。
その分、死を狙う魔が襲ってくるようにもなるんです。
本人の意図していない隙を狙って。
だからいつも以上に危険な目に遭いやすくなるんです。
おわかりいただけましたか。
あと、僕が見えるようになったのはですね、この緊急事態が大きければ大きいほど、反動でたまに見えちゃうことがあるらしいです。
滅多に無いらしいですけどね。
僕としては、好都合です。
口頭で注意喚起できますから。
よくあるのは、夢枕とか虫の知らせとかですね」



