抜けるような青空が広がる、ある日の朝。
今日は黒澤くんが、担任の先生に朝早く来るように言われたからと先に学校に行ったため、私は久しぶりに一人で登校。
私が学校近くまで歩いて来ると、校門のそばにひとりの女の子が立っていた。
誰だろう? 初めて見る子だけど……。
紺色のブレザーに、胸元にはピンクのリボンをつけているから、どう見ても他校の子。
ふわふわのロングヘアに、遠目からでも分かるような整った顔立ちの美少女だ。
「あの、どうかされました?」
気になった私は、彼女に思いきって声をかけてみた。
「あっ、すいません。知り合いの忘れ物を届けに来たんですけど……。部外者は、勝手に中に入ったらダメですよね?」
彼女が、お弁当らしき青色の包みを掲げてみせる。
なるほど。お弁当を届けに来たのか。
「もし良かったら、私が届けましょうか?」
「えっ、いいんですか!? 私、りっくん……黒澤璃久の幼なじみの南実です」