「……んんっ」
ゆっくりと重い瞼を開けると、最初に目に飛び込んできたのはコンクリートの地面。
私はそこに横たわっていた。
あれ、ここはどこ?
まだ頭がボーッとするなかで起き上がろうとするも、無理だった。
私は今、手と足を縄で縛られ、身動きが取れない状況だったから。
えっ、どうしてこんなことに!?
私は、急いで学校帰りのことを思いだす。
えっと、確か……雨が降ってきて黒澤くんが貸してくれた傘をさして歩いてたら、途中で透くんに会って。
雨宿りしていた透くんを、黒澤くんの傘に入れてあげて……そうだ。
そのあと私、透くんに鼻と口を布のようなもので塞がれて、意識を失ったんだ……!
思い出しているうちに意識がハッキリし、私は辺りをぐるりと見渡してみる。
窓はカーテンで覆われているため薄暗く、埃っぽいにおいがする。
どうやらここは、どこかの倉庫のようだ。
「やっと起きたか」
「!」
低い声がして顔を上げると、銀髪ヤンキーの進藤くんが立っていた。