今日、俺たちは山奥にある洞窟にきている。校長の特別授業で、洞窟の中に隠した護符をみつけて持ち帰らなければいけない。護符には少し霊力が込めてある。その霊力を探知する、という訓練らしい。四人グループで順番に向かうことになった。俺たち四人が、一番最初だ。
『その洞窟には、かつて祓いきれず封印した妖がいる。くれぐれも気をつけよ』
と、校長は真面目に言っていたが
『まぁ、肝試しのようなもんじゃ。せいぜい楽しめ』
と、ケラケラ笑いながらどこかへ去っていった。
(楽しめって言われても……)
洞窟の中は足元も見えないくらい真っ暗。人が一人やっと通れるくらい狭く、地面はでこぼこして歩きにくい。ひんやりとした冷気が肌にまとわりついて寒気がする。
「さすがに、周りがみえないのは危険だ」
士稀が短い言葉を唱えると、指先に霊力が集中し、ライトのようにぼやぁと光る。
「名付けて、指先ライトやな」
(すげぇ。こんなこともできるのか)
ゆるやかに風が吹いている。入ってきた入り口とはまた別の穴が開いているのだろう。
「おいっ、伊都、離れるんじゃねぇぞ。と、東間は? ちゃんとついてきてるか?」
「たっ、た、祐くん、制服の裾持たないでよ。伸びちゃうよ……」
「暗いし狭いし、いかにも!って感じやなぁ」
「楽しんでんじゃねぇよ! さっさとみつけてさっさと帰るぞ!」
その時、バサバサとなにかが飛び立つ羽音が、あちこちから聞こえてきた。
「ぎゃぁぁぁ!!」
「ひぃぃぃぃ!!」
「蝙蝠やな」
飛び上がって驚く俺と伊都、そして一番後ろで余裕そうな東間。俺たちの叫び声が、洞窟内で反響している。他のグループも時間差でやってくるので、この情けない声が聞かれるかもと思うと恥ずかしいけど、今はそんなこと気にしてる余裕はない。
「……うるさいぞ」
先頭を歩いていた士稀が、後ろを振り返って呆れている。
「だってさ……こわいよ」
「無理だって、こんなの」
士稀は、俺たちの泣き言をスルーして前に向き直る。
「右に分岐」
なんでもないように淡々と進み続ける士稀。
(こいつには恐怖心がないのかよ)
校長のことだ、絶対何か仕掛けてるに違いない。落とし穴とか、罠とか、飛び道具とか。
警戒しながら恐る恐る進む。ぴちゃん、と水の落ちる音が聞こえたと思ったら、首の後ろにぽたっと水滴が落ちた。
「ぎぃぃぃやあぁぁぁぁぁ!!!!」
「え!? え!? なになになになに!? いやぁぁぁぁぁ!!!!」
パニックになり叫びまくっている俺と、訳も分からずつられるように大声を上げる伊都。
「これだけ賑やかやったら、なんも寄ってこぉへんやろ」
「はぁ~~~、鼓膜が破れる」
なぜか楽し気な東間と、イラついている士稀。
先に進むと、案の定、落とし穴に針山が仕掛けられていたり、ピンと張りつめた糸に引っかかるとクナイが飛んできたり。そういう罠がいくつか仕掛けられていた。士稀がいち早く気づいて教えてくれたので、なんとか罠を回避できた。
そういえば校長が、この洞窟は昔、忍者の演習場だったとかなんとか言っていたのを今思い出した。
(命がけの肝だめしじゃん……)
そんな罠に足を止めながらも、俺たちは洞窟の奥へと進んだ。
『その洞窟には、かつて祓いきれず封印した妖がいる。くれぐれも気をつけよ』
と、校長は真面目に言っていたが
『まぁ、肝試しのようなもんじゃ。せいぜい楽しめ』
と、ケラケラ笑いながらどこかへ去っていった。
(楽しめって言われても……)
洞窟の中は足元も見えないくらい真っ暗。人が一人やっと通れるくらい狭く、地面はでこぼこして歩きにくい。ひんやりとした冷気が肌にまとわりついて寒気がする。
「さすがに、周りがみえないのは危険だ」
士稀が短い言葉を唱えると、指先に霊力が集中し、ライトのようにぼやぁと光る。
「名付けて、指先ライトやな」
(すげぇ。こんなこともできるのか)
ゆるやかに風が吹いている。入ってきた入り口とはまた別の穴が開いているのだろう。
「おいっ、伊都、離れるんじゃねぇぞ。と、東間は? ちゃんとついてきてるか?」
「たっ、た、祐くん、制服の裾持たないでよ。伸びちゃうよ……」
「暗いし狭いし、いかにも!って感じやなぁ」
「楽しんでんじゃねぇよ! さっさとみつけてさっさと帰るぞ!」
その時、バサバサとなにかが飛び立つ羽音が、あちこちから聞こえてきた。
「ぎゃぁぁぁ!!」
「ひぃぃぃぃ!!」
「蝙蝠やな」
飛び上がって驚く俺と伊都、そして一番後ろで余裕そうな東間。俺たちの叫び声が、洞窟内で反響している。他のグループも時間差でやってくるので、この情けない声が聞かれるかもと思うと恥ずかしいけど、今はそんなこと気にしてる余裕はない。
「……うるさいぞ」
先頭を歩いていた士稀が、後ろを振り返って呆れている。
「だってさ……こわいよ」
「無理だって、こんなの」
士稀は、俺たちの泣き言をスルーして前に向き直る。
「右に分岐」
なんでもないように淡々と進み続ける士稀。
(こいつには恐怖心がないのかよ)
校長のことだ、絶対何か仕掛けてるに違いない。落とし穴とか、罠とか、飛び道具とか。
警戒しながら恐る恐る進む。ぴちゃん、と水の落ちる音が聞こえたと思ったら、首の後ろにぽたっと水滴が落ちた。
「ぎぃぃぃやあぁぁぁぁぁ!!!!」
「え!? え!? なになになになに!? いやぁぁぁぁぁ!!!!」
パニックになり叫びまくっている俺と、訳も分からずつられるように大声を上げる伊都。
「これだけ賑やかやったら、なんも寄ってこぉへんやろ」
「はぁ~~~、鼓膜が破れる」
なぜか楽し気な東間と、イラついている士稀。
先に進むと、案の定、落とし穴に針山が仕掛けられていたり、ピンと張りつめた糸に引っかかるとクナイが飛んできたり。そういう罠がいくつか仕掛けられていた。士稀がいち早く気づいて教えてくれたので、なんとか罠を回避できた。
そういえば校長が、この洞窟は昔、忍者の演習場だったとかなんとか言っていたのを今思い出した。
(命がけの肝だめしじゃん……)
そんな罠に足を止めながらも、俺たちは洞窟の奥へと進んだ。


