桑谷くんの彼女(偽装)になりました。



私たちは目配せし合い、なんだか面白くなって吹き出した。


西園寺さんも私につられて声を上げて笑う。

西園寺さんの笑顔は、真夏の太陽のように明るく爽やかだった。


「なんだかスッキリしました」

「それは良かった。って、そのあざ……」

「ああ、これですか? 痛くもなんともないですよ。それに、お互い様です」


私の体にも西園寺さんの体にも、複数のあざができている。

私は笑顔を浮かべて拳を突き出した。


「喧嘩同盟成立ってことで」


お互いの拳がゴツンと当たり、弾けた。

───華恋は知らない。


また一人、西園寺隼人という男を虜にさせたことを。

隼人の熱い視線の先の先に、二人を面白くなさそうに見つめる恭介の姿があった。


 ◆


家に帰り、温かい湯船に浸かる。

傷を癒し、今日一日の疲れをとった。