桑谷くんの彼女(偽装)になりました。



「何すんのよっ!!!」


私は翔を強く睨んだ。


「どうして止めたの!? なんで!? あと少しだったのに……っ!!」


視界が涙でかすんでいく。

翔はそんな私を見つめて、悲しそうに笑った。


「……っ、馬鹿に、してるんでしょ。私のこと、哀れな子だって思ってるんでしょ!!! ふざけんな! 消えてよ! ……っ翔なんか、大っきらい」


私にどれだけ罵倒されようと、翔が何か言い返すことはなかった。

私の乾いた声が、反響する。


「………ごめんね、華恋」


翔は震えた声で絞り出すように呟いた。

翔の綺麗な瞳から、一粒の涙が流れる。


「華恋を、守りたかった」


その言葉に、私の心はぐちゃぐちゃになる。