桑谷くんの彼女(偽装)になりました。



「……、」


私はごくりと唾を飲み込む。

自分がこれからしようとしていることが急に現実味を帯びて、一瞬怯んでしまった。


「ははっ、怖いか」

「……っ、こ、怖くない」

「そうかそうか。強がれるのなら、きっと大丈夫だ」


リーダーはその言葉を最後に、車を発進させた。


日が傾き、この街に夜の闇が迫ってきている。

決戦の時は、もうすぐそこまで来ていた。


 ◆


闇組織のリーダーと、幹部たちとともにアジトに潜入する。


リーダーと目配せした後、拳銃を握った手を再び強く握りしめて捜索を開始した。


黒幕の居場所を突き止める道中、ténèbres(テネブル)の下っ端達と出くわした。

それを味方の幹部がやすやすと倒していく。


私とリーダーは先を急いだ。