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ténèbresのアジトは、ここから遠く離れた場所にあるらしい。
今日は普段から情報の取引をしている闇組織の連中とともにそのアジトに乗り込む。
屋敷から離れた場所に、一台のワゴンが停まっていた。
コンコン、と窓をノックすると、ドアが開く。
私は人の目がないか確認した後、車に乗り込んだ。
「カレン、準備はいいか?」
「ええ、もちろん」
ミラー越しに闇組織のリーダーと目が合う。
私は不敵に微笑んだ後、深く深呼吸をした。
「カレン、お前にこれを渡しておく」
発車させる前、リーダーが黒いケースを手渡してきた。
私はそれを慎重に受け取る。
鍵を開け、蓋を開けた。
そこには、黒く艶めく拳銃が収められていた。



