悲しそうに沈んだ紫色の瞳が、何も言えない私を映している。
「華恋のご両親を殺した暴力団の名前は、〝ténèbres〟。黒幕は、賀上琉汰だ」
私がこれまでずっと探し求めていた答えが、こんな形で明らかになった。
どうして翔はそんな情報を私に教えてくれたのだろう。
今となってはもう、それを知る由もない。
「……ありがとう、翔。それと、ごめんね」
もう私には目もくれない翔に深く頭を下げる。
私を貶してくれたっていいのに。罵って、罵倒したっていいのに。
それをしない翔は、どこまで優しいんだろう。
私はそんな翔の優しさにつけ込んだ最低な人間だ。
翔を部屋に残したまま、私は部屋を出る。
去り際、私に声をかけてくれたお手伝いさんの言葉も無視して邸宅を後にした。



