「……全部分かっているなら、なぜ訊いたの」
私がそう訊くと、翔は乾いた笑いをこぼした。
それから上を向いて、鼻をすする。
「はは、なんでだろ。……信じたくなかったから、かな」
翔の言葉を聞いた私は、自分の非情さを思い知った。
翔はすべて知っていたんだ。
知った上で、私と付き合うことを選んだんだ。
私に利用されると分かっていたのに。
「───なんで」
「傷つくと分かっていたのに、それでも華恋の側にいたかった。華恋にはきっと、おれの気持ちは分からない」
今、初めて、翔から一線を引かれた気がした。
私は大きく目を見開いて、翔を見つめる。
「ねえ、華恋。おれたち、別れよう。たった三ヶ月間の関係だったし、そもそも偽装だったけど、華恋の側にいられて楽しかったよ。……でも、もう無理そう」



