桑谷くんの彼女(偽装)になりました。



「ねえ、華恋。おれに何か隠してること、ない?」


しばらく経った後、翔が私を抱きしめる腕をほどいて、そんなことを言った。


「隠してることって……?」

「あるでしょ。華恋だって、分かってるはず」


私の頭の中にあるのは、


〝復讐〟


その言葉のみ。


翔はもしかして、気づいてる……?


「……翔は、私が誰か、知ってるの?」

「はは、そこからか。……うん、もちろん知ってる」


「華恋は墨友組の一人娘で、去年の冬、両親を失った」


翔は淋しそうな笑みを浮かべてそう言った。

その微笑みは、私を哀れんでいるのだろうか。
翔も私を可哀想な子だと思っているのだろうか。


「華恋は両親を失った夜、復讐を決意して、今もまだ犯人を探してる。そしてその犯人の情報を得るためにおれに近づいた」