「あ、ありがとうございます(?)」
本気か冗談か分からない声色で言うものだから、反応に困る。
「でもあいつ、顔目当ての女の子すごい嫌ってたと思うんだけど……いつから趣味変したんだろ」
京さんは不思議そうに首を傾げる。
お願いだから詮索はもうやめてほしい。
「ま、まあその話はここまでに」
「恭介、ちょっと黙って。今集中してる」
運良く西園寺さんが助け舟を出してくれた。
スマホ依存症の西園寺さん、人と話すことが好きな京さん、ストレス解消法は喧嘩の私。
バランスの悪い三人で過ごすこの時間は、居心地がいいとは言えなかった。
お願い翔、早く来て。
「おっつー」
私がそう願ったタイミングで、旧校長室の扉が開かれた。



