「はーいそこまでー。そいつ、死んじゃうから」
甘い響きを漂わせながら、けれどどこか冷酷さをはらんだ声に一瞬時が止まったように感じた。
私はゆっくりと後ろを振り返った。
そこには、飴を片手にこちらを涼しげな目で眺める金髪長髪男がいた。
………桑谷?
こんなところで出会うなんて、私はツイてる。
どうやってこいつに接近しようか。
両親を殺した犯人を探っていることに気づかれず、でも確実に黒幕を暴くには。
「桑谷くん、だよね? 私、あなたと同じ高校の生徒。こいつらがいきなり私に喧嘩売ってきたから、相手してあげてたの」
にっこりと愛想笑いを浮かべ、常識のある(喧嘩をしている時点で怪しいが)普通の女子生徒を演じる。



