もう何もかも嫌になった。
人生を棒に振ろうとしていた私を止めたのは、あやしげな瞳をした金髪の男だった。
◆
両親が私の前からいなくなってからもう三日が経つ。
暗い部屋でソファにうずくまって座っていた私の耳に、あり得ないニュースが飛び込んできた。
『続いてのニュースです。昨夜、現在も失踪中の暴力団が墨友夫妻を拉致し、その行方は今も定かではないとのことです』
床に落としていた視線をゆっくりと上げ、テレビ画面を凝視する。
ぼんやりとしていた頭が、だんだんと覚めていく。
「え、……?」
私の人生最大の過ちは、まさにこれまでの三日間のことを言うんだろう。
両親が三日も家を空けたにも関わらず、私はまたいつもの仕事だろうと軽く考えて心配さえしなかった。



