初めこそ傷ついていたものの、いつしかそれに慣れ、もう何も感じなくなった。
時の流れとは、成長とは、そういうものだ。
幼かった心は、世の無常を知り冷淡なものへと形を変え、鋼の心になる。
「おかえりなさいませ、華恋様」
お決まりの言葉を聞き流して、すぐに車内に乗り込む。
「出して」
その言葉の後、車はすぐに発車した。
だんだんと速度を上げながら、まだ太陽の照らす街を通り過ぎていく。
私は車窓の外をぼんやりと眺めながら今日の収穫を玲王に話すか迷っていた。
何分か考えた後、私は小さくため息を吐いてまぶたを伏せる。
………このことは、玲王には話さないでおこう。
これから先玲王がどんな行動を取るか分からないし、何より心配されそう。
だって玲王は、私が復讐を企んでいるなんて一ミリも知らないんだから。



