もし両親の仇が目の前に現れたのなら、私はその者を容赦なく殺す。
何よりも残忍な手口で。
精一杯の恨みを込めて。
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入学式を終え、高校から少し離れたところに停めてあったベンツに近づく。
すると運転席のドアが開き、中から玲王が姿を現した。
私の両親の死後、玲王は変わり果ててしまった。
目の下に濃いクマを作り、毎晩毎晩うちの組の責務にあたっている。
次期組長は玲王かもしれないとウワサされるほどの能力の持ち主なのだ。
その重責は計り知れない。
墨友組───それは、いわゆる〝ヤクザ〟の巣窟。
そんな家元に生まれた私は、ヤクザの子ども。
周りから慕われることはなく、むしろ忌み嫌われる。
小さい頃から私がヤクザの子だと知ると即座に離れていく者が後を絶えなかった。



