アイドル宣言！

「海宝さん、次移動教室だよ。」
町田さんだ。町田紗里。

茉凜は何も気にしていないようだが、茉凜と仲良くなる事で人気者みたいないわゆる一軍女子を目指している人が私のクラスには多く、町田さんもその1人。

「あ！海琴次移動教室だって急ご！紗里ちゃんありがとう」

町田さんたちは茉凜にしか興味ないんだ。と少しネガティブになるけど、茉凜だけは私に明るく接してくれる。

なんなら茉凜以外には冷たい視線を感じる。

茉凜がいるからあまり気にしないようにはしてきているけど、友達がたくさんいるのは羨ましい。

もっとも私の友達が1人なのは茉凜の人気度が高すぎるせいかもしれないけど。

「う、うん、、。」

「どーしたの？具合悪い？」

普通に返したつもりだが、茉凜には気にしていることが見透かされているかもな。

やっぱり私、茉凜と友達でよかった。

「なんでもないよ」

「ならいいんだけど、、」

「じゃ早く行こ！」

茉凜が町田さんのこと紗里ちゃんって呼んでた。
私のことは海琴ってちゃんなしだもんねー。
喜びをかみしめながら茉凜の手をひっぱって廊下を走る。