プルルルル ブルルル
「あ、もしもし」

「こんにちは」

「橋下海琴と申します、はじめまして、突然お電話大丈夫でしたか?」

「美優さんに聞いていたので大丈夫ですよ。お電話くださりとても嬉しいです。私たちのこと恨んでいてもおかしくはございませんから。」

「恨むなんて全然、私のことを産んでくれたのはお母さんですし、」

「海琴さん?もし宜しければですけど敬語でなくて構いませんよ。一応親子ですし。」

「じゃあお、お母さんもやめてください。」

「わかったわ。それで、美優さんにはどこまで聞いたの?璃真や愛花についてはご存じ?」

「あ、お姉さん愛花さんって言うんだ。璃真くんは知ってます、友達がDream boys好きで」

「じゃあ璃真に会ってあげてくれないかしら?昨日、伊桜莉、いや海琴さんと電話することを伝えたら会いたいってうるさくて」
「ライブのあとに楽屋に来て欲しいだそうよ。もちろん海琴さんの気持ちの問題や日程の問題もあるだろうし無理には、」

「会いたい、璃真くんに。」
「あと、伊桜莉で大丈夫です、お母さんが付けてくれた名前だし。」

「そう。じゃあ伊桜莉。東京に来る予定はあるの?」

「Dreamboysのライブに行くのでその日にお願いしますと璃真くんに言ってほしい」

「わかった、その日少し早く来てうちに来ない?しっかり色々と謝りたいのです。」

「じゃあ早く行きますね。ではこれで失礼します、あっ、その、璃真くんに会いに行く時ってその友達もいいですか?」

「伝えとくね、じゃあ」

プー プー

少しお話できてよかった。それにいい人そうだな。
私はやっと張り詰めていた糸が1本だけ緩んだ気がした。