「病気、なのかな?」
そう。これは茉凜にも言えない秘密。
お父さんは仕事でしばらく家にいない状態だった、ちょうど1ヶ月ぐらい前のこと。
風邪をひいたからお母さんと一緒に病院に行った。
その時肺炎とか流行ってて、咳と頭痛だったから色々とレントゲンとったら判明しちゃったわけ。
今までにあまり前例が無い病気で、余命宣告もされた。でも、長くてもあと15年。つまり30歳まで。短かったら明日って感じの病気らしい。
幸い私の場合はそこまで進行してないらしいから少なくても1年は元気で生きれるだろうって。
でも、これを最初に聞かされた時は、頭が真っ白になって、なんかもうはっ?って感じだったな。
一旦すぐにお父さんに連絡したら今すぐにでも家に帰るって言うから一応それは止めて、次帰った時にじっくり話すということになっている。
つまり今日だ。
「その病気は、電話で説明した通り前例があまりなくて今のところ完璧に治せない。でもまだ全然今すぐに体調が悪くなるとかはないんだって。で、週1で検査に行くこと。難病の指定を受けてるから全てが無償になるらしい。」
「具体的な症状については、悪化するにつれて徐々に感覚器官とかが使えなくなって五感がなくなったり、記憶がなくなったりするっていう症例は一応あるらしいけど、これも詳しいことは分からないんだって。」
「病院ではさ、はい、はい、はいって応えたけど正直、で?みたいな感じだよね。なんなんだろう。」
前をゆっくりむくと、ずっと静かに聞いてくれてたと思っていたお父さんは、泣いてた。
多分私とお母さんが病気を受け入れた時と同じぐらいの大泣き。
これだからお父さんと話すのしんどいんだよな。
こっちがまた泣いちゃうからやめてよ。


