アパートに着くと、カレンは皆に説明する。
「では、こちらが皆さんのお部屋の鍵です。既に水道や電気なども通ってますから、まずはゆっくり休んでくださいね。冷蔵庫に、ミネラルウォーターや食料品も少し入れておきました」
「なにからなにまで、ありがとうございます、カレンさん」
「いいえ。困ったことがあれば、いつでも私の携帯電話にご連絡ください。明日からは移住に関しての手続きなどを始めますね」
「分かりました、よろしくお願いします」
藤田たちメンバーはカレンに頭を下げてから、それぞれの部屋に入っていった。
「カレン、ちょっといいかな?」
最後に住谷が呼び止める。
「なによ? 馴れ馴れしく呼ばないでちょうだい」
ジロリと横目で睨むと、住谷は肩をすくめた。
「ビジネスの話だよ。これ、副社長の文哉から。今回君にコーディネートを頼んだことに関しての謝礼の明細。既に君の銀行口座に振り込んである」
「え? そんな、いいのに」
「それからこれは、真里亜ちゃんから預かったクリスマスプレゼント。結城紬のショールだって」
「ありがとう。あとでお礼のメッセージを送っておくわ」
紙袋を受け取ると、住谷は黙ったまま笑みを浮かべている。
「……まだなにか?」
「いや、なにも?」
「そう。じゃあ、私はこれで。あなたはホテルに滞在するの? 帰国はいつ? 皆さんの状況が落ち着いたら帰るんでしょ」
「ああ、以前と同じホテルに泊まる。帰国は決めてないな」
「そうなの……」
ひょっとしたら、クリスマスホリデーを一緒に過ごせる?と、心の片隅で期待する。
だが慌ててその考えを打ち消した。
「それじゃあ」
立ち去ろうとすると、またしても「カレン」と呼び止められる。
「もう、なんなの? まだなにか?」
「あと1つだけ頼みがある。不動産屋を紹介してくれないか?」
「えっ、まだ部屋を探すの? 誰の?」
「俺の」
「…………は?」
もはやカレンはポカンとしたまま立ち尽くす。
「どうして住谷がニューヨークで部屋を探すのよ」
「あ、これを渡しそびれてた」
「ちょっと、聞いてる?」
「はい、これ」
「なによ、名刺? それならもう持って……」
カレンの言葉が途切れる。
信じられないとばかりに目を見張り、名刺に書かれた文字を見つめた。

「こ、これって、どういう……?」
「あ、英語が分からない? AMAGIコーポレーション、ニューヨーク支社の」
「分かるわよ! そうじゃなくて。あなたが支社長? ニューヨーク支社の?」
「そう」
「どうして?」
「ん? 優秀だからかなあ。社長と副社長から直々にご指名されてね」
ははっ!と軽く笑う住谷を、カレンはまじまじと見つめる。
やがてじわりと涙が込み上げてきた。
「……ずっと、こっちにいるの?」
「そうだよ」
「ニューヨークに住むの? 住谷が」
「ああ。できれば君のうちの近くにね」
「私の、近くに?」
「そう。その為に来たんだから」
「嘘。さっきは社長とフミヤに頼まれたって言った」
「それも本当。最初は断ってたんだ、俺には荷が重すぎるってね。だけど君と出逢って決めた。AMAGIのニューヨーク支社を背負って立ち、必ず君のそばで君を守ると」
ついにカレンの瞳から涙がこぼれ落ちる。
「住谷が支社長なんて、力不足じゃない?」
「そのうち『役不足だね』って言わせてみせるよ。意味分かる?」
「分かる。でもクレイジーね」
「それは否定できないな。Because I'm crazy for you.」
「バカ!」
カレンは両腕を伸ばして住谷に抱きついた。
住谷はそんなカレンをしっかりと抱きしめて、耳元でささやく。
「 How about you ? 」
カレンが涙声で答える。
「 I love you.」
ふっと笑みをもらして、住谷はカレンの頭を抱き寄せた。
「 I love you too.」
カレンも涙目のまま笑みを浮かべる。
二人で見つめ合うと、ゆっくりと顔を寄せ、想いのこもったキスを交わした。
「では、こちらが皆さんのお部屋の鍵です。既に水道や電気なども通ってますから、まずはゆっくり休んでくださいね。冷蔵庫に、ミネラルウォーターや食料品も少し入れておきました」
「なにからなにまで、ありがとうございます、カレンさん」
「いいえ。困ったことがあれば、いつでも私の携帯電話にご連絡ください。明日からは移住に関しての手続きなどを始めますね」
「分かりました、よろしくお願いします」
藤田たちメンバーはカレンに頭を下げてから、それぞれの部屋に入っていった。
「カレン、ちょっといいかな?」
最後に住谷が呼び止める。
「なによ? 馴れ馴れしく呼ばないでちょうだい」
ジロリと横目で睨むと、住谷は肩をすくめた。
「ビジネスの話だよ。これ、副社長の文哉から。今回君にコーディネートを頼んだことに関しての謝礼の明細。既に君の銀行口座に振り込んである」
「え? そんな、いいのに」
「それからこれは、真里亜ちゃんから預かったクリスマスプレゼント。結城紬のショールだって」
「ありがとう。あとでお礼のメッセージを送っておくわ」
紙袋を受け取ると、住谷は黙ったまま笑みを浮かべている。
「……まだなにか?」
「いや、なにも?」
「そう。じゃあ、私はこれで。あなたはホテルに滞在するの? 帰国はいつ? 皆さんの状況が落ち着いたら帰るんでしょ」
「ああ、以前と同じホテルに泊まる。帰国は決めてないな」
「そうなの……」
ひょっとしたら、クリスマスホリデーを一緒に過ごせる?と、心の片隅で期待する。
だが慌ててその考えを打ち消した。
「それじゃあ」
立ち去ろうとすると、またしても「カレン」と呼び止められる。
「もう、なんなの? まだなにか?」
「あと1つだけ頼みがある。不動産屋を紹介してくれないか?」
「えっ、まだ部屋を探すの? 誰の?」
「俺の」
「…………は?」
もはやカレンはポカンとしたまま立ち尽くす。
「どうして住谷がニューヨークで部屋を探すのよ」
「あ、これを渡しそびれてた」
「ちょっと、聞いてる?」
「はい、これ」
「なによ、名刺? それならもう持って……」
カレンの言葉が途切れる。
信じられないとばかりに目を見張り、名刺に書かれた文字を見つめた。

「こ、これって、どういう……?」
「あ、英語が分からない? AMAGIコーポレーション、ニューヨーク支社の」
「分かるわよ! そうじゃなくて。あなたが支社長? ニューヨーク支社の?」
「そう」
「どうして?」
「ん? 優秀だからかなあ。社長と副社長から直々にご指名されてね」
ははっ!と軽く笑う住谷を、カレンはまじまじと見つめる。
やがてじわりと涙が込み上げてきた。
「……ずっと、こっちにいるの?」
「そうだよ」
「ニューヨークに住むの? 住谷が」
「ああ。できれば君のうちの近くにね」
「私の、近くに?」
「そう。その為に来たんだから」
「嘘。さっきは社長とフミヤに頼まれたって言った」
「それも本当。最初は断ってたんだ、俺には荷が重すぎるってね。だけど君と出逢って決めた。AMAGIのニューヨーク支社を背負って立ち、必ず君のそばで君を守ると」
ついにカレンの瞳から涙がこぼれ落ちる。
「住谷が支社長なんて、力不足じゃない?」
「そのうち『役不足だね』って言わせてみせるよ。意味分かる?」
「分かる。でもクレイジーね」
「それは否定できないな。Because I'm crazy for you.」
「バカ!」
カレンは両腕を伸ばして住谷に抱きついた。
住谷はそんなカレンをしっかりと抱きしめて、耳元でささやく。
「 How about you ? 」
カレンが涙声で答える。
「 I love you.」
ふっと笑みをもらして、住谷はカレンの頭を抱き寄せた。
「 I love you too.」
カレンも涙目のまま笑みを浮かべる。
二人で見つめ合うと、ゆっくりと顔を寄せ、想いのこもったキスを交わした。



