Side Story 〜葉月まい 番外編集〜

次の日。
住谷はカレンの部屋まで迎えに来た。

「カレン、どこに行きたい?」
「私はここに住んでるのよ? もう行ったことない場所なんてないわ。住谷こそ、どこに行きたい?」
「じゃあ、ベタなデートでもいい?」
「ふふっ、いいわよ。今日だけは特別なカップルなんだから」
「ああ」

二人で自然と手を繋ぐ。
そのままニューヨークの街に出かけた。

ハイラインと呼ばれる、かつての鉄道の線路を再利用した高架の歩道を歩き、チェルシー マーケットでショッピングを楽しむ。

ロックフェラーセンターやメトロポリタン美術館を訪れ、夕方になると自由の女神像を眺められるサンセットクルーズを満喫した。

ディナーはハイクラスのホテルに行き、ブティックでフォーマルな装いに着替えてからディナーを味わう。

最後にエンパイアステートビルも見えるルーフトップバーで、美しい夜景に酔いしれながら乾杯した。

ずっとずっとこの時間が続けばいいのに……

今夜限りと分かっているから、こんなにも特別な気持ちになるのだろうか。

明日には別れると分かっているから、こんなにもこの時間が愛おしいのだろうか。

それは違う。

互いに求め合っているから、離れたくない。

温もりを忘れたくなくて、強く抱きしめ合う。

どうすればこのキスを永遠に残しておける?
どうすれば二人の身体は溶け合ってくれる?

どうすればこの愛を届けられるだろう。

どんな時も、どこにいても、いつまでもずっと……

二人は言葉にできない想いを胸に、ひと晩中、互いの温もりを確かめ合っていた。