Side Story 〜葉月まい 番外編集〜

「ワーオ! カレン、今夜も綺麗だね」

バンケットホールに足を踏み入れると、同僚が口笛を吹いて声をかけてきた。

「当然よ」

表情ひとつ変えずに返事をし、CEOのジョンに挨拶に行く。

「カレン、もうすぐAMAGIの皆さんが到着する。通訳をよろしく頼むよ」
「ええ、かしこまりました」

ジョンに頷いた時、ちょうど入り口から文哉たちが入ってくるのが見えた。

「マリア」
「カレンさん! わあ、とっても素敵ですね。ハリウッド映画の女優さんみたい」

真里亜はうっとりとカレンに見惚れる。

「マリアこそ。奥さんなのにいつまでもキュートね」
「え、そんな」

照れ笑いを浮かべる真里亜は、ローズピンクのミモレ丈のドレスに優しい色合いのメイク。

胸元のネックレスも耳元のピアスも、そして結婚指輪と重ねづけした婚約指輪も、キラキラと輝くフラワーモチーフのものだった。

隣に並び、しっかりと真里亜のウエストを抱き寄せている文哉も、淡いパープルのチーフとネクタイで揃えたスリーピースのフォーマルスーツ。

欧米の男性と見比べても引けを取らないほど、スタイルがいい。

「あなたたち、本当にお似合いのカップルね。他の誰を見てもうらやましいとは思わないけど、マリアとフミヤだけは夫婦っていいなって思わせてくれるわ」
「ええ? カレンさん、今夜はどうしたんですか?」
「どうもしないわ。マリアがあんまり幸せそうだから、ちょっと妬けちゃったのかもね」

まだピンと来ていないような真里亜にウインクすると、カレンは同僚たちのもとへ挨拶に向かった。