Side Story 〜葉月まい 番外編集〜

コットンキャンディが着替えを終えると、明日香は陽子の手伝いにサザンクロスの控え室に向かった。

「失礼します。お疲れ様です」
「あ、明日香ちゃーん!おっはよー!バレンタインデー・キッス!」

ご機嫌で投げキッスをしてくる直哉に、明日香は一気に顔を赤らめる。

「直哉、お前命が惜しくないのか?」

地を這うよう低い声がして、瞬が直哉を羽交い締めにした。

「ギャー!やめてくだされ、お代官様。命だけはー!」
「二度と明日香に話しかけるな」
「そんなの無理だもーん」
「無理じゃねえ!」
「なら、無言のボディタッチにする?」
「するか!バカ!」

まあまあと、明日香は苦笑いを浮かべる。

「これは、オフィス クリスタルから皆さんへ。いつもありがとうございます」

明日香はメンバーに、有名店で買って来た綺麗なラッピングのチョコを配った。

「わー、ありがとう!明日香ちゃんからのチョコなんて嬉しいなー」
「だから、明日香からじゃねえっつってんだろ!?」
「でも明日香ちゃんが渡してくれたもんねー」
「直哉だけに渡してねーわ!」

止まらない直哉と瞬のやり取りに、充希が肩をすくめて明日香に話しかける。

「直哉もさ、面白がってるよね。瞬ってば、明日香ちゃんのこととなると、いちいち反応するんだもん」
「え、そんなことは……」

すると優斗も口を開いた。

「もうさ、明日香ちゃんのこと好き好きー!って言ってるのと同じだよね」
「ええ!?いやいや、まさかそんな」
「ずっと寡黙でクールなキャラだったのに、明日香ちゃんと結婚してからは奥さんにデレデレだよね。人ってあんなに変わるんだなあ」
「優斗くんも、あみちゃんにデレデレでしょ?」
「うん!あみちゃんにデレデレ。でも俺は昔からそういうキャラだもん。瞬のキャラ変は革命的だよー。あはは!」

はあ、と気の抜けた返事をしてから、明日香はようやく衣装の準備を始めた。