「わあ、美桜!すごく素敵だね。鮮やかな朱色の着物、よく似合ってる」
「そう?ありがとう、アレン。ここまま初詣に行ってもいい?」
「もちろん。歩くの大変だから、タクシー使おう」
「嬉しい!あとね、屋台でりんご飴食べたい。焼きとうもろこしもあるかな?」
すると母が、美桜!と止める。
「あなた絶対に着物汚すから、やめなさい」
しょんぼりとする美桜に、アレンは優しく笑いかけた。
「じゃあ美桜。食べる時は俺のジャケットを掛けてあげるから。お母さん、それならいいですか?」
「まあ!なんてジェントルマンなのかしら。アレンくんに頼まれたら断れないわね」
「ありがとうございます。大切な着物が汚れないように、気をつけますから」
「優しいわねえ。そうだわ、アレンくんも着物着る?ちょっと古いけど、お父さんのがあるのよ」
えっ!とアレンは目を輝かせる。
「いいんですか?」
「もちろんよ」
そして母は、和室でアレンにも着物を着付けた。
「あら!なんてかっこいいのかしら」
「大丈夫でしょうか?外国人が着物を着ても。おかしくないですか?」
「全然そんなことないわよ。アレンくん、何を着ても様になるわね。はー、目の保養だわ」
うっとりと頬に手をやる母に礼を言い、アレンはリビングに戻る。
「ひゃー、かっこいい!似合ってる!なんでも着こなしちゃうね、アレン」
「ありがとう、美桜。お父さん、着物お借りします」
律儀に頭を下げるアレンに、父は破顔して頷いた。
「どうぞどうぞ。大昔につき合いで一度着ただけの着物なんだ。アレンくんに着てもらって、その着物も喜んでるよ。むしろ私のお下がりで申し訳ないね」
「とんでもない。どんな着物を着るよりも嬉しいです」
「いやー、そんなこと言ってくれるなんて。美桜にはもったいないくらいの好青年だな」
「いいえ。美桜さんの方が、私にはもったいないです。こんなにも私を幸せにしてくれる素敵な人は、世界中どこを探しても二人といません。改めて、美桜さんとの結婚を許してくださって、ありがとうございました」
まあ、と母は目を潤ませ、父も感慨深げに言葉に詰まる。
「もう本当に、元旦から感動して涙が出ちゃう。ほら、暗くならないうちに初詣行ってらっしゃい」
照れたように笑う両親に見送られ、美桜とアレンはタクシーで神社に向かった。
「そう?ありがとう、アレン。ここまま初詣に行ってもいい?」
「もちろん。歩くの大変だから、タクシー使おう」
「嬉しい!あとね、屋台でりんご飴食べたい。焼きとうもろこしもあるかな?」
すると母が、美桜!と止める。
「あなた絶対に着物汚すから、やめなさい」
しょんぼりとする美桜に、アレンは優しく笑いかけた。
「じゃあ美桜。食べる時は俺のジャケットを掛けてあげるから。お母さん、それならいいですか?」
「まあ!なんてジェントルマンなのかしら。アレンくんに頼まれたら断れないわね」
「ありがとうございます。大切な着物が汚れないように、気をつけますから」
「優しいわねえ。そうだわ、アレンくんも着物着る?ちょっと古いけど、お父さんのがあるのよ」
えっ!とアレンは目を輝かせる。
「いいんですか?」
「もちろんよ」
そして母は、和室でアレンにも着物を着付けた。
「あら!なんてかっこいいのかしら」
「大丈夫でしょうか?外国人が着物を着ても。おかしくないですか?」
「全然そんなことないわよ。アレンくん、何を着ても様になるわね。はー、目の保養だわ」
うっとりと頬に手をやる母に礼を言い、アレンはリビングに戻る。
「ひゃー、かっこいい!似合ってる!なんでも着こなしちゃうね、アレン」
「ありがとう、美桜。お父さん、着物お借りします」
律儀に頭を下げるアレンに、父は破顔して頷いた。
「どうぞどうぞ。大昔につき合いで一度着ただけの着物なんだ。アレンくんに着てもらって、その着物も喜んでるよ。むしろ私のお下がりで申し訳ないね」
「とんでもない。どんな着物を着るよりも嬉しいです」
「いやー、そんなこと言ってくれるなんて。美桜にはもったいないくらいの好青年だな」
「いいえ。美桜さんの方が、私にはもったいないです。こんなにも私を幸せにしてくれる素敵な人は、世界中どこを探しても二人といません。改めて、美桜さんとの結婚を許してくださって、ありがとうございました」
まあ、と母は目を潤ませ、父も感慨深げに言葉に詰まる。
「もう本当に、元旦から感動して涙が出ちゃう。ほら、暗くならないうちに初詣行ってらっしゃい」
照れたように笑う両親に見送られ、美桜とアレンはタクシーで神社に向かった。



