「明けましておめでとうございます」
年が明け、美桜とアレンは実家に新年の挨拶に訪れた。
四人でおせち料理を囲み、乾杯する。
「いやー、久しぶりだよ。こんなに嬉しいお正月は」
父はアレンとお酒を交わしながら、終始ご機嫌な様子だった。
「お父さんったら。しつこく絡んで、アレンくんに嫌われないようにね」
母が咎めると、父はピクリと手を止める。
「それは困る。アレンくん、見放さないでくれー」
「もちろんです、お父さん」
やれやれと母は肩をすくめた。
「まったくもう。浮かれるにもほどがあるわ。あ、そうだ、美桜。あなたが注文してた屋台のグッズ、大量に届いてたわよ。ハッピもね」
「本当に?見るー!」
早速和室にグッズを広げると、美桜は興奮気味にあれこれと手に取った。
「ひゃー、このキャラクターボール、可愛い!ヨーヨーもカラフルでたくさんあるね。あ、ハッピ!きゃはは!ジョージって本当に書いてある。いいね!」
「自分でオーダーしたんでしょ?何をそんなにはしゃいでるのよ。それから、はい!浴衣も用意しておいたわよ。美桜のとアレンくんのと、これはあちらのお父様のね」
「うわー、ありがとう!綺麗な柄だね」
「それはいいんだけど……」
そう言って母は、困ったように表情を曇らせる。
「美桜、あなた着付け出来ないでしょ?今から特訓するけど、覚えられる?」
「あ、それなら大丈夫ー。クレアとメアリーが着付けられるから。アレンのお母様から教わってたんだって」
「ええー!?そうなの?それなら良かったけど。でもお母さん恥ずかしいわ。日本人のあなたが出来ないのに、日本に来たことすらないクレアさん達が着付けられるなんて」
「まあまあ、いいじゃないですか」
軽くあしらう美桜に、母は深いため息をつく。
「まったくもう……。じゃあ今から着物を着付けてあげるから、出来るだけ覚えなさい」
「え、いいの?わーい!アレンと一緒に着物で初詣行ってくる」
「だから!ちゃんと覚えるのよ?」
「はーい!」
やる気はあるが、やはり美桜は全く覚えられない。
「人間には、得手不得手があるものよねえ」
「何を悟ったようなこと言ってるの?単に覚えられないだけじゃない。はあ、今度イギリスに行ったら、クレアさんとメアリーさんにお詫びをしておかなきゃ。はい、出来たわよ」
「ありがとう!アレンに見せてくるー」
パタパタと和室を出て行く美桜を、やれやれと見送ってから、母は思わず笑みをこぼしていた。
年が明け、美桜とアレンは実家に新年の挨拶に訪れた。
四人でおせち料理を囲み、乾杯する。
「いやー、久しぶりだよ。こんなに嬉しいお正月は」
父はアレンとお酒を交わしながら、終始ご機嫌な様子だった。
「お父さんったら。しつこく絡んで、アレンくんに嫌われないようにね」
母が咎めると、父はピクリと手を止める。
「それは困る。アレンくん、見放さないでくれー」
「もちろんです、お父さん」
やれやれと母は肩をすくめた。
「まったくもう。浮かれるにもほどがあるわ。あ、そうだ、美桜。あなたが注文してた屋台のグッズ、大量に届いてたわよ。ハッピもね」
「本当に?見るー!」
早速和室にグッズを広げると、美桜は興奮気味にあれこれと手に取った。
「ひゃー、このキャラクターボール、可愛い!ヨーヨーもカラフルでたくさんあるね。あ、ハッピ!きゃはは!ジョージって本当に書いてある。いいね!」
「自分でオーダーしたんでしょ?何をそんなにはしゃいでるのよ。それから、はい!浴衣も用意しておいたわよ。美桜のとアレンくんのと、これはあちらのお父様のね」
「うわー、ありがとう!綺麗な柄だね」
「それはいいんだけど……」
そう言って母は、困ったように表情を曇らせる。
「美桜、あなた着付け出来ないでしょ?今から特訓するけど、覚えられる?」
「あ、それなら大丈夫ー。クレアとメアリーが着付けられるから。アレンのお母様から教わってたんだって」
「ええー!?そうなの?それなら良かったけど。でもお母さん恥ずかしいわ。日本人のあなたが出来ないのに、日本に来たことすらないクレアさん達が着付けられるなんて」
「まあまあ、いいじゃないですか」
軽くあしらう美桜に、母は深いため息をつく。
「まったくもう……。じゃあ今から着物を着付けてあげるから、出来るだけ覚えなさい」
「え、いいの?わーい!アレンと一緒に着物で初詣行ってくる」
「だから!ちゃんと覚えるのよ?」
「はーい!」
やる気はあるが、やはり美桜は全く覚えられない。
「人間には、得手不得手があるものよねえ」
「何を悟ったようなこと言ってるの?単に覚えられないだけじゃない。はあ、今度イギリスに行ったら、クレアさんとメアリーさんにお詫びをしておかなきゃ。はい、出来たわよ」
「ありがとう!アレンに見せてくるー」
パタパタと和室を出て行く美桜を、やれやれと見送ってから、母は思わず笑みをこぼしていた。



