でも、俺は構わない。だって……。
「俺は、お前がいない方が辛いんだ」
身を削る?
寿命が削られる?
そんなの、痛くない。
そんなの、怖くない。
何よりも1番辛いのは、
君がいなくなってしまう事ーー。
「たとえ僅かな時でもいい。一緒に生きたい。
今この選択を選ばなかったら、俺は一生後悔する。
この先の未来にレノアがいなかったら、俺は死んでいるのと同じなんだ……っ」
俺の瞳からは、まるで泣きじゃくる子供のように大粒の涙がこぼれ落ちていた。
そんな俺を見て、レノアの表情も子供が泣くみたいにぐしゃぐしゃだった。
これ以上言葉が見付からない。
飾らない、俺の気持ちを一言に込める。
「俺と一生、色んなものを半分こして……生きていこう!」
昔、苦手な甘いお菓子を半分に割って君に差し出したように……。俺はケースから小さい方の指輪を右手に持って、左手をレノアに差し伸べた。
これは、俺と彼女の"半分こ"の物語ーー。
俺の言葉を聞いたレノアの表情が、みるみるうちにあの頃のような少女の笑顔になって……。もう迷いがなくなったかのように俺の左手に自分の左手を差し出した。
「……はいっ!」
手と手が重なった瞬間からは、"半分こ"じゃない。
俺と彼女は、一生一緒に生きていくんだーー。
俺は、彼女の左手薬指に指輪をはめた。
そして彼女が、俺の左手薬指に指輪をはめた。
すると俺達は自然と互いの手をぎゅっと握りあって、目を閉じていた。
何も言葉にしなくても、分かっていたかのように……。初めからこうなる事が分かっていたかのように……。
暖かくて優しい光に包まれた俺とレノアは、指輪を通じて互いの生命力を分け合った。
……
…………。



