片翼を君にあげる④

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一年前の今日は、俺、レノア、ライ……そしてラン。俺達幼馴染み4人が久々に集まれる日だった。
昔のように、子供の頃のように、楽しい時間を過ごせる筈だった。

けど、この日がランの命日になってしまった。


俺達は昔よりも子供じゃなかった。
でも、大人と言えるほど大人でもなかった。

子供のままなら良かったのかも知れない。
もっと大人だったら良かったのかも知れない。

……けど、違うな。
子供は思ってるよりも子供じゃないし。
大人はいつまで経っても大人にはなり切れない。

ただ年月が過ぎているだけで。
ただ歳を重ねているだけで。
見た目や身体の大きさで大人だと思ってはいけなかった。

今こそ、しっかりと見つめよう。
そして、しっかりと受け止めよう。

想い出は大切に胸の中にーー。

今という現実を、生きて行こう。


……
…………。

俺は、アッシュトゥーナ家へとやって来た。
半年以上も音信不通だった俺に、きっとヴィンセント様もミネア様も言いたい事や聞きたい事は山程あったに違いなかった。

けど。
全てを呑み込んで、たった一言、「よく、来てくれたな」と言って案内してくれた。俺をレノアーノの元へと……。

しっかりと顔を見るのは一年振りだった。
案内された部屋に入ると、大きなベッドの上にレノアーノが仰向けに寝かされていた。ヴィンセント様の話では、レノアもここ半年近く意識がなく、昏睡状態が続いているらしい。

その姿は、まるで童話の中に出て来る眠り姫。

病で伏せっていた為、以前より痩せて顔色も良くなかったが……。それでも、やっぱり彼女は俺の中で最高に美しい女性だった。

だが、以前までとは、"俺の彼女に抱く感情"が違っていた。
以前まで俺は、ただ彼女が微笑っていてくれたら……。幸せにしていてくれるのならば、それだけで良かったんだ。
そんな彼女を、ただ見ているだけで良かった。