片翼を君にあげる④


以前、天使が言っていた。
俺達の居る人間界と天使が居るあの空間は、時の流れに違いがある、と……。
どうやら過去に飛ばされて天使と同じ時間を共にしている間に、俺にとっては数時間の出来事が現実(こっち)の世界では半年以上の時間が経過していたらしい。

その現実に俺は一瞬戸惑った。


ーー……けど。
すぐに、冷静になって、思った。

いつだって変わらない想い。
俺の1番大切な、今1番逢いたい存在が心に浮かび上がって……。俺は俺のすべき事、行くべき場所が分かった。

「ジャナフ、行こう!」

《あとは、頼んだぞーー……》

天使の想いも胸に、俺はジャナフと一緒にシャルマ邸を後にした。

……
…………。