わたしたちは、恋をしない。〜パートナーは王子様?〜


だって、特進クラスということは、それなりに成績も良いはず。
それなのにどうして……って、そういえば『わざと』って、さっき言っていたような気がする。


「結愛ちゃん、わざとって言ってたのは……」


一体どういう意味なのか聞こうとするけど、


「待って」


ピタッと足を止める結愛ちゃん。わたしも足を止め、目の前を見ると三メートル近くはありそうな大きな扉。

いつの間にか、プリンスプリンセスが住むお屋敷の前まで到着していた。

そして、足を止めて数秒、扉はゆっくりと開いた。


「お待ちしておりました。ようこそいらっしゃいました」


わ……!

扉が開いた先に現れたのは、まるで映画の中で見るお城のような大きなロビー。

黒いワンピースに白いエプロンのメイド服を着た使用人さんが並んで、わたしたちにゆっくりと頭を下げる。

退学崖っぷちで呼ばれてきたのに、こんな出迎え方をされるのは、何だか変な感じ。

思わずオドオドしてしまうわたしとは対照的に、結愛ちゃんはドンと構えていて……なんていうか、慣れていそう。


特進クラスって言っていたし、たぶんそれなりのお嬢様ってことだよね……。

でも、そんな人がどうしてわたしなんかと一緒なのか分からない。しかも『わざと』だなんて、益々意味不明。


「皆さまお待ちですので、どうぞこちらに」


一番中央に立った使用人さんに声をかけられ、「はい」と結愛ちゃんが返事する。

そして、歩き出した二人を追うようにして、一歩遅れたわたしも歩き出す。