九条くんがわたしを連れて来なかったのは、わたしが信用ならなかったからじゃ……。
そう考えると、今ここに連れてきてくれたのは、少し認めてくれたってことなのかもしれない。
さっき勉強を教えてくれたこともあって、九条くんとの距離が近付いたんじゃないかって嬉しくなる。
わたしなんかでも役に立てることがあるのなら、協力したい。だけど……。
「ごめんなさい。わたし、自分のこともちゃんと出来なくて……」
今でさえ、勉強についていくのに必死でギリギリなのに、生徒会の仕事なんかしてたら、それこそ退学になってしまう。
そしたら九条くんに迷惑をかけるわけで、本末転倒だ。
申し訳ないけど……と、頭を下げようとした時だった。
「勉強だったら俺が教える」
話を割くように声を上げたのは、九条くん。
「え?」
「勉強は今日みたいに俺が教える」
九条くんの言葉に理解が追いつかず、目をパチパチさせる。
すると、篠崎先輩は待ってましたとばかりに身を乗り出して、私の手をぎゅっと握った。



