どうして急に勉強を教えてくれる気になったのか、分からない。
だけど、疑問に思いつつも、それを素直に聞いてみることなんて出来るわけがなくて。
それよりも、わたしがしなくちゃいけないのは勉強。
少しでも遅れを取り戻したくて、一生懸命に九条くんの説明を聞いた。
そして──。
「そう、それはそういうこと」
九条くんに教えてもらった部分の練習問題をやってみると、自分で解くことが出来た。
「あ、ありがとう!」
それは間違いなく、九条くんのおかげ。
あまりの威圧感にずっと緊張していたけど、九条くんの教え方は先生みたいにとっても分かりやすかった。
同い年なのに全然違う。
やっぱりすごい人なんだな……って、改めて実感していると、
「あんたさ、何でわざわざうちの学校に入ってきたわけ?」
九条くんは突然、そう聞いてきた。
確かに、こんなバカなのにどうして……って、思うよね。
「あ、えっと……うちはお父さんひとりで、色々迷惑かけたくなくて」
「そうじゃなくて。学費の面なら別に、その辺の公立の中学でもいいだろ」
「経済的にもそこまでひっ迫してるとは聞いてないけど」と、九条くん。



