わたしたちは、恋をしない。〜パートナーは王子様?〜


真央ちゃんに聞いてみようかな……でも、ノートも借りておいて説明まで、迷惑かな。


一向に理解できない問題を目の前に、そんなことを考えながらうなだれていると、


「お前、本当にバカだったんだな」

「なっ……!」


突然、頭上から降ってきた失礼な発言に顔を上げる……と、


「く、九条くん!?」

「は?」


目の前に立っていたのは、他でもない九条くん。

思いがけない人物に、わたしはびっくりして大きな声を上げると、九条くんは少し不快そうに眉をひそませた。


「ご、ごめんなさい、九条さま……?」

「……別に、様付けしなくてもいい」


呼び方が悪かったのかと思いきや、そういうわけじゃなかったみたい。

相変わらずムスッとした表情のまま、わたしの目の前に座る九条くん。


「ここはこの部分の応用で──」

「え?」


言いながら、わたしのノートの上に伸びてきた、九条くんの人差し指。

状況が一瞬理解出来なくて固まると、


「説明してんだけど」

「あっ、はい!」


やっぱり、そういうことだよね?

九条くんの言葉に慌てて、わたしはシャーペンを手にした。