「はじめましてっ!橘あかねです!これからどうぞよろしくお願いしますっ!」
絶対に退学になるわけにはいかないの。
わたしは大きな声で挨拶して、出来る限り深々と頭を下げた。すると──。
「やだ」
返ってきた言葉は、やだ。
やだ……。そっか嫌か……じゃあしょうがないか……って。
「えっ⁉」
びっくりして顔を上げると、九条くんは既にわたしに背を向けていた。
そしてそのまま、どんどん遠ざかっていく。
「あ、ちょっと、廉!」
篠崎先輩が九条くんを引き留めようとしてくれたけど、立ち止まってくれることはなく、そのままポツンと残されたわたし。
あれ……待って。
わたし、パートナー拒否された?
え、この場合ってどうなるの──⁉
橘あかね、十二歳。引き続き、人生最大のピンチです。



