わたしたちは、恋をしない。〜パートナーは王子様?〜


間隔をあけるようにして、並んだ三つの椅子。

そこには、わたしたちと同じ制服を着た生徒が三人座っていた。


自己紹介なしでも、見た瞬間にすぐに分かった。

ここにいる三人は、プリンスとプリンセス──。


「っ……」


圧倒的なオーラっていうのかな。あまりの存在感に言葉を失うわたしをよそに、


「柊ちゃん!」

「結愛?」


見るからにとても嬉しそうな顔をする結愛ちゃんに、戸惑った顔をするプリンス。


色素の薄い金髪寄りのふわっとした茶髪。座っていても身長が高いのが分かる、すらっと伸びた手足。

整った顔は小さくて、立ったら何等身になるのかな。


本当に王子様みたいなその人は……さっき、結愛ちゃんが口走った、柊ちゃん?


「何?もしかして知り合いなの?」


わたしも気になったことを代わりに聞いてくれたのは、腰まで伸びたサラサラの黒髪がきれいなプリンセス。


この人は入学式の日に、挨拶をしていたから知ってる。

三年生で生徒会長の篠崎舞香(しのざきまいか)先輩。

壇上に上がり、凛とした様子で祝辞を述べる姿があまりに綺麗で、目を奪われた。

プリンセスという言葉が、文字通り相応しい人。


「知り合い……っていうか、妹みたいなものです。でも、なんで結愛が……」


柊ちゃんと呼ばれたプリンスも、どうやら状況が把握できていないみたい。

でも、結愛ちゃんが理由を説明することはなかった。