「すごいね……ほんとお城みたい」
だだっ広い廊下には絨毯が敷かれてあって、壁には綺麗な風景画。全く詳しくはないけれど、見るからに高そうな壺みたいなものも置いてある。
まるで別世界に来たみたいで、ひとり感動していると、
「うーん、そうかな?柊ちゃんが住むなら、もっと近代的な方がいいと思うけど」
「柊ちゃん?」
「ああ……さっきの話の続き。また後で話すね」
結愛ちゃんはチラッと一歩前の使用人さんを見た後、ひみつとばかりに人差し指を口の前で立て、静かに言った。
テストで『わざと』悪すぎる点を取ろうとした理由と、結愛ちゃんの口から出てきた名前の人、何か関係してるのかな?
──そんなことを考えていると、
「到着いたしました。こちらになります」
玄関と同じくらい大きな扉の前で立ち止まり、使用人さんはドアハンドルに手をかけた。
ギイッと重たい音がして、中から光がこぼれ出す。
一瞬目を細めそうになるくらい明るかったのは、壁が一面綺麗な白だったから。
そして──。



