思い切り扉が倒れ、轟音(ごうおん)と共に声がした。 「やっほー、僕らのお姫様返してくんない?」 ──たーちゃ、ん 「お、紫乃はっけーん」 笑って手を振るたーちゃんと、 一直線にいっちゃんのもとへ行くしゅーちゃんに五人が離れていく。 そしてしゅーちゃんは、無言のままいっちゃんを殴った。 飛ばされたいっちゃんは、起き上がらない。 「……何してんだ樹。答えろ、誤魔化しもはったりも通用しねぇぞ」