苦手な上司にプロポーズすることになりました

「雑な女だなとは思うが。
 独自の物の見方とか、物事に集中するときの姿勢は悪くないと思う」

 バスが来たので、並んで乗りながら、由人は言った。

「まだまだ新人っぽさはあるが、これからに期待できるかなとは思っている――」

 ほんとうに思っているままを言ったあとで気づいた。

「すまん。
 これでは部下としての評価だな」

 いえいえ、と佑茉は笑う。

「それで、この部下はまあまあ使えそうだなとか思って。
 会社にとどまるきっかけとなってくださるのなら、それでいいです」

 ……女としての評価も付け加えるべきだろうか、と思いながら、由人は言ってみた。

「昨日思ったんだ。
 お前の真剣な横顔……」

 隣の吊り革を持つ佑茉がこちらを見た。