苦手な上司にプロポーズすることになりました

 


「そうだ部長。
 あの名刺、また見せていただけませんか?」

「いいだろう。
 うちの部署に関係している人間も多いからな」

 お前も覚えておけ、と言われ、名刺ホルダーごと渡される。

 きちんとまとめられた名刺を眺めながら、佑茉は室内を行ったり来たりしていた。

 学生時代、暗記するときやっていた癖だ。

 歩き回りながらの方が覚えられる気がするのだ。