「おや、赤荻くんじゃないか。 なんだ、佑茉と結婚するのかね。 それは頼もしい」 「いやちょっとわからないんですけど……」 グループ会社の重役たちと由人はそんな会話を繰り返していた。 佑茉はキョロキョロと周囲を窺う。 ……まだ現れないな。 今のうちに挨拶すませて帰っちゃおうかな。 厄介な事態になる前に――。 程よく(?)由人は疲弊している。 結婚するかしないかわからないのに、一族のものにずっと挨拶させられているからだ。