苦手な上司にプロポーズすることになりました

 長身のその男は腕組みして言う。

「赤荻由人だね。
 じいさんに詳しい話は聞いた」

 この声っ。

「鈴木何某(なにがし)っ」
時弘(ときひろ)だっ」

 全然チャラチャラしていないから、誰かと思った。

「お前たちが政略結婚なら、邪魔してやると思って。
 ずっとお前たちの様子を窺ってたんだ」

「……やはり、うちに住んでたのか?」

 この家には鈴木か座敷童が住んでそうだという話を思い出し、そう言う。

「家には入ってないぞ」

 周辺をウロついてただけだ、と鈴木は言った。