まさか俺が忍んでいかないよう、自分が何処に住んでいるのか教えないのだろうか。
そんなことを考えながら、由人は帰宅していた。
「でも、同じ家で、住所もわかっているのに、何処にいるのかわからないって、変ですよね~」
と竜吾は笑っていたが。
いや、あれだけ広かったら、途中から住所、違いかねないんだが、と思っていた。
門の前まで来て、遠くにそびえる屋敷を見る。
まだ何処も灯りはついてないな、と思ったとき、誰かが目の前に立ち塞がった。
スーツ姿のきちんとした身なりの男。
誰だっ!?
由人は身構え、急いで、頭の中の名刺ホルダーをめくってみる。
どう見ても、仕事関係の人間に思えたからだ。



