苦手な上司にプロポーズすることになりました

「そういえば、お前、大抵、スマホ、パスワード入れて開けてるな。
 顔認証じゃなかったのか」

「……反応しないんですよ」

 そういや、無の顔にならないと開かないとか言ってたよな。

 佑茉は渋い顔をして言う。

「顔認証……。
 開いて欲しくないときには開きます。

 今、寝ぼけてひどい顔してるな、と思うときには、開くんですよ。
 あれが私の顔のスタンダードだとでも言うんですかね?」

 お前のスタンダードはスマホが決めるのか、と思いながら聞いていた。