苦手な上司にプロポーズすることになりました

「学校で衛生チェックがあって。
 あ、ハンカチとかティッシュとか爪とかチェックされるやつなんですけど。

 小指の爪切っといてよかったなって思う夢なんです」
と佑茉は笑う。

「そういえば、切ってるな」

 丸いガラステーブルに置かれた佑茉の細い小指を見ながら、由人は言った。

 佑茉は、爪はネイルは塗らずに、ただ磨いているようで。
 自然な感じの綺麗な桜色をしていた。

「だって、部長がメガネのネジ回してくれるって言うから」

 そういえば、お前のメガネ姿、一向に見ないんだが……。

 いや、見てみたいとかじゃないんだが。

 そのとき、佑茉が椰子の葉越しの夜空を撮ると言い出した。

 スマホを開こうとした佑茉を見て気づく。