苦手な上司にプロポーズすることになりました

「最初から、あんの入っていないパンを食べればいいのでは……」

 そう呟く由人に、

「違うんですよ。
 皮に、ちょっぴりあんこがついてるところがいいんですよ。

 味も香りもよくて」
と佑茉は主張してくる。

「なんか可愛くて、きゅんとしますね」
と後ろに控えていた湯沢が言う。

「きゅんと……?

 薬川にですか?
 社長にですか?」
と由人が訊くと、どっちも、と湯沢は言った。

 まあ、確かに、この二人のほのぼのした叔父姪の関係に、ちょっとなごみはするのだが……。