苦手な上司にプロポーズすることになりました

 


 そんなに思い悩んでいるのなら、ちょっと散歩でもしたらどうだと湯沢に言われた由人はあの公園に来ていた。

 気のせいかもしないが、自分は薬川に惹かれている気がする。

 全然好みのタイプじゃないはずなのに。

 混乱した頭のまま、公園に踏み込むと、彼女がベンチに座っていた。

 相変わらず、ぼんやりしている。

 迷いながらも、前に進み出て、由人は言った。

「あの……」

 彼女の何処を見ているのかわからない瞳がこちらを見る。

 佑茉の相手の心の奥まで見透かすような鋭い目線とは正反対だ。

 ああ、やっぱり、こういうタイプが好みなんだがっ、と思い詰めた由人は言っていた。