苦手な上司にプロポーズすることになりました

「……ひとり静かに過ごすのが好きなのか?」

「そういうときもありますけど。
 誰かがいるのもいいですね」

 盃の中の酒には、上にあるライトの光が映り、揺れていた。

 それを見ながら、佑茉は、ちょっと笑って言った。

「だから――
 部長がこの家に一緒に住んでいてくださるの。

 ちょっと嬉しいんです」

「でも、全然、離れた場所にいるじゃないか」

「そうなんですけど。
 同じ家の何処かに、誰かがいてくれて。
 人の気配があるって言うのが、なんか落ち着くんですよ」

 そう言い、佑茉は微笑んだ。

 お前でも、そういう殊勝なことを言うのか、と思いながら聞いていた。