苦手な上司にプロポーズすることになりました

 


 今日はなにか調子が出なかったな。

 そんなことを思いながら由人は、ひとり夜道を歩いていた。

 そういえば、今日は薬川に一度も会ってないな。

 同じ家とは言いながら、何処に住んでるのか知らないもんな。

 ……別に薬川に会わなかったから落ち着かないというわけではないのだが。

 公園の近くを通ったとき、ふと、気になり、中に入ってみる。

 すると、あのベンチに彼女がいた。

 ぼんやり月を見上げている。

 ……全然、顔も思い出せなくなっていたけど、やっぱり好きかなと思った。

 大丈夫だ。
 俺の好みはこういうタイプで薬川ではない。

 だが、話しかけて、イメージと違ったら嫌なので、そのまま帰った。