苦手な上司にプロポーズすることになりました

「こんな綺麗な方にお会いしたら、忘れないと思うんですけどね」

 照れたように茂内は言ったあとで、ではまた、と頭を下げて降りていった。

 窓の外を見ながらもう一度、二人で頭を下げる。

「助かりましたね」
「竜吾のおかげだな」

 ほんとですね、と笑ったとき、由人が言った。

「よし。
 なにか食べて帰るか。

 奢ってやろう」

「え?」

「お前が痛い思いをしてくれたおかげで誰だかわかったから」

 いや、いいですよ、と言ったが、上手く解決した高揚感から、由人も何処かに行きたいようだったので。

 二人で、この間のワインバーに呑みに行った。