苦手な上司にプロポーズすることになりました




「……そういえば、公園の彼女はどうなりました?」

 帰りのバスは空いていたので、一番後ろの座席に二人並んで座っていた。

 二人掛けだとちょっと距離が近すぎるが、ここだと、ちょうどいい感じだった。

 公園の彼女の話に、由人は微妙な顔をする。

「あれから会えてない。

 ……というか、なんだかぼんやりした顔だったんで。
 どんな顔だったか、思い出せなくなってきて。

 お前の顔なら、ニ、三年離れててもわかるんだが」

 そのとき、前の座席に座っていたおじさんが振り返った。

「やっぱり、赤荻さんじゃないですか。
 こんばんは」

 誰!? という気配を由人の肩の辺りから感じた。

 顔には出ていなかったが。